東京おひとりさま

注:おひとりさまなときも、そうじゃないときもあります

【癒しのレストラン】Nouri @ Singapore はシェフの優しさに満ちた最高の空間!

 

こんにちは、なつみです。

 

シンガポールで、最高のレストランに出会ってしまいました。

 

レストランを構成する要素は、味、食感、食材、香り、プレゼンテーション、ワイン、食器、テーブル、照明、雰囲気、シェフ、スタッフ、などなど様々であり、しかもこれはもちろん単体ずつ評価できるものではなく非常に複雑に絡み合うのはご承知のとおり。

しかしそのすべてが非常に優しくて新鮮で、料理には工夫と愛情と情熱がこもっていて、そしてもちろん抜群に美味しくて心から幸せになれる、そんな素晴らしい場所に出会ってしまいました!

 

それがこちら、Nouri です。

nouri.com.sg

 

店名の由来は、What you nourish, nourishes you. 

食べること、感じること、想うことの大切さを、このレストランにいる時間のすべてで教えてくれるような店です。

 

Time Outにも記事がありますね。

www.timeout.com

 

ブラジル出身で、ミシュラン一つ星も獲得したIvanシェフがなんとわずか 7週間前にオープンさせたそう。紹介してくれた友人に感謝!

 

最初は入り口のバーカウンターで初めの1杯を飲みつつ、カウンターのお兄さん(中国系のすごくいい人!!)と談笑し……のはずなんですが、ちょっとフライトまで時間がなさすぎたので、さっそく席に通してもらっちゃいました。

 

しかしこのカウンター兄さんがあとで素晴らしいサービスをしてくれて、感動。

それについてはのちほど。

 

5 courses と 7 courses があったのでもちろん 7 courses をお願いしました。

 

店内はキッチンと席の隔たりがない、まさにオープンキッチン。奥には個室もありましたよ。

 

なんて暖かい雰囲気。

 

 1杯目のシャンパン。

Champagne Chartogne Taillet

シャルトーニュ・タイエ

とても柔らかく、きめの細かい泡が、こちらのお店を象徴するかのよう。

 

お料理はスターターの Bread and Broth.

パンを目の前の食事のパートナーと分け合って食事をスタートさせるというコンセプトだそう。一人なので分け合えませんが。ライ麦の sourdough です。 

 

こちらのお店ではマレーシア北部の契約農園から60%程度の野菜を仕入れているそうですが、右はそのお野菜6種類を煮込んだBroth(だし、というかスープというか)セロリが香る、深みとさわやかさのある素晴らしいBroth.

 

左は、Chees and Vegitable Brothとのことで、カンテサンスのスペシャリテのミルクパンナコッタのようなものかと思いきやあたたかく、お豆腐のようにゆるくかたまっていて、とても優しい味!

 

お次はSnacks. 

手前:ピクルス、フェンネルの花、Peppercorn(黒胡椒の実), チーズ

奥:黒ライスクラッカー, ウニ, マンダリン

右:Idli butter(イドリー, つまり南インドのライスケーキ), キャビア

 

しっとり、サクサク、ふんわり、とろーり......

いろんな食感が楽しめる。まさにスターターにふさわしい、心を踊らせてくれるような1皿!

 

さて、ワイン。

Penedes. 香りはどことなく鰹出汁。甘くすっきりしていて、最初はこれくらいがきっと適切。とてもカジュアルなテイストの白。

 

ブラッターチーズにoat broth, 一番上にはpetai leaf というとても香りの強い東南アジアのお野菜。その豆は英語でSmelly beanというらしく、つまり、とても臭いそうです。お野菜のお味自体は、にんにく、干ししいたけのような味で不思議。やや塩味も感じる。これは面白い! 私は大好きになりました。

さきほどのワインの出汁の香りとも良く合います。

 

お次のワイン。

Weingut Fred Loimer

オーストリアのワインだそうです。グリーンペッパーのようなスパイシーさが少し、ビター度がさっきのワインよりややアップ。お料理もだんだん味が濃くなっていくのでしょう〜

 

次のお皿……きたあああああ!

いい香り!!!!!

 

King Crub Cheong Fun.

Cheong Fun, つまり腸粉ですね。お米の点心。ぷるんぷるんのつるんつるんで、下にはKing Crub(タラバガニ)!上には細ネギ、桜えび、レモンと出汁の風味のコクのある豆乳のエスプーマ、ちょっとクリスピーな食感はなんだったんだろう。右下には鰹節のようなものが。

 

とにかくおいしかった。

とにかくおいしかった!!!

おいしかったーーーーー!!!!!

おかわりしたい。。。

 

お次はなんと日本酒です!

大吟醸 九郎左衛門 雅山

かなりやわらかい香り、テイストはドライ。

お料理は何に合わせるのでしょう…?

 

なんと驚きの、カレーです!

カレーがやってきました!!

いい香りであります!!

 

この茶色のものは、ブラジルのストリートフード ”アカラジェ” と言うらしいです。

コロッケのような感じですが、豆だそうです。

上にはココナッツで味付けた麦?的な感じですかね?

キャビアに見立てて、とおっしゃってました。

 

カレーは実は2層になっており、一番内側は海老。とても濃い海老。vatapa というブラジルのカレーのようなものだそう。外側はココナツカレー。結構辛い。

 

そして、そう、これが何を隠そうとにかく日本酒に合う!!

あぁ、カレーライスの発想か・・・

ソムリエに話を聞くと、ライスとココナツはとても相性がよく、当然ライスとカレーも相性がよく、ココナツとカレーも相性がよく、ライス由来の酒とのマリアージュは完璧、とのこと。これはすごかった!感動の味だった。

日本だと辛いものにお酒ってあんまり飲まないし、カレーとお酒も発想がなかったので……(しかし、自分の発想の貧困さに反省。カレーライスがあるなら、カレーと酒も大アリでしょう。女子高生的に言うと、ありよりのあり。)

 

次は赤が来ました!

イタリアのオーガニックワインだそうです。 

ライトなだしの香り。薄く渋い赤、美しい!

 

こちらのお料理に合わせます。その名も Mashroom. 

マイタケ(日本産, 見慣れたパッケージから出てきた)のフライ。

黒トリュフとキノコのみじん切りのペーストと、オレンジ、実山椒。

そこにコショウの効いたしいたけ出汁を後から注いでくださいます。

さらにお茶碗にも少し入れてくれるので、出汁だけも味わえます。粋か。

 

このような感じに!

これ、もう、おいしいしか出てきません。

滋味深いです。

私のノートに書いてあった言葉

 

「お  い  し  い」

「さ い こ う か」

 

美味しすぎて悶絶して絶筆という様相です。

 

もちろん、軽いだし香のオーガニックワインと合う!!

もうここのシェフとソムリエが神様に見えてきた。

 

はぁ。。。こんなにおいしくて、どうなってしまうんだろう。

そんなことを思っていたら、次のワインです。

 

なんと、イタリアのオレンジワイン。

香りが甘く爽やかで、嫌味のない香水のような、いつまでも嗅いでいたい不思議な香り。味はビターななかにも後味がやわらかく甘い。

 

ここからはメインの2皿。

チキン、ビーフ、お魚から1つを選んで、

それぞれ同じ食材が異なる調理法で2皿で出てきます。

 

私が選択したのは、お魚。

Raymond's Grouper Two Waysとのこと。

ハタ、だそうです。スズキ科スズキ目ハタ亜科。はて。

 

今更だけど牛も食べてみたかったな。

(あの日の私には胃的にお肉は無理だったかもだけど)

 

このオレンジワインに合わせてのお皿は、 セビーチェ風!

セビーチェはスペインの伝統料理と言われているけどアジア由来という説もある旨、

シェフが教えてくださいました。

 

お刺身に、フレッシュココナツオイル、さらに一般的にはココナツビネガーを使うところだけど、なんとフェンネルビネガー!

上には、キャビア、お魚の皮を揚げたクラッカー、Peppercorn.

ココナツって日本だとほんとにあまり使われないけど、こうして食べていくと、複雑にさわやかさとコクを作り出してくれるまことに南国にふさわしい素晴らしい食材ですね。

 

さぁ、さらにワインですよ。

ポルトガルだそうです。(だんだんコメントが雑になってきてすみません)

トースト香に、ベリーのテイスト。

お魚だけど、赤ですよ!

 

おおおお〜

ふんわりとぷりっと低温調理された白身にまとわせたやわらかなソース。

そして何より!この広東風黒胡椒ソース!これは本当に面白い。

黄人参が添えられています。

左のほうの粉は、ピンクペッパーの砕いたものだそうです。

 

お料理はここまで。ここからデザートです!

デザートワインはイタリアのもの。

 

プレデセールは写真を忘れました…が、

かわいらしいNusturtium (ナスターチウム、キンセンカ)というお花の、

シトラスのような味のマシュマロ!

 

デザート1品目。

シトラスキャラメルムース、バナナアイスに、クランチーなそば粉とココアのクッキー。このキャラメルムース、激甘そうに見えますがものすごく爽やかで、おいしい!さくさくのココアクッキーの食感ともあいまって、あっという間になくなりました。

 

ついにコースが終わってしまいます。

私のシンガポール出張も終わってしまいます。深夜便、疲れるから嫌いです…

うう…

最後のデザート。名残惜しい。

 

これがまた、美味しい!!

プラム(桃系のフルーツの総称として)をいろいろなテイストで。

黄色いソースは桃やスモモのような酸味と甘味ととろみのある味わい、上のものは、梅のようなものを煮たものにオレンジ味の強い果実を煮たジャムのようなものがのっています。(のようなものばかりで申し訳ない)

左のものは、クッキーの上にとろけるチョコレート!固まっているようにみえるけど、すごくとろーりとしたリッチなチョコで、これをすべて混ぜ合わせていただきます!

奥は烏龍茶。

渋みは控えめ、透き通ってやや爽やかに甘さも香る美味しい烏龍茶です。

 

最後のこちらは…内緒です!お会計じゃないよ。

これは行ってのお楽しみにされてください。

 

お会計はかわいいカエルが持ってきてくれます。

こちらも見てのお楽しみ。

 

シェフ(中央)と、スーシェフ(左)。

私の席の目の前がこんな感じ。

 

一皿一皿、シェフが運んできてくれて説明をしてくれて、

その暖かい眼差しに癒される…

サービスのお姉さんもフレンドリーで明るくて、カジュアルで、

誰もが歓迎されていて、まったく肩肘張らずに心から食事を楽しめると感じました。

 

最後に私が感動したのは、入り口で出迎えてくれたバーカウンターのお兄さん。

私が、「このあとフライトがあるので、、」と少し伝えたところ

適切な時間にタクシーを呼んでおいてくれて、

シェフやサービスの方にも時間を伝えてくれて、

ANAのターミナルを調べてタクシードライバーに伝えてくれていて、

お陰様で、実はちょっとタイトな時間も安心して楽しむことができました。

(実はフライトの時間を1時間私が勘違いしていて、空港についたら出発1時間前で大ピンチだったんですけどもw)

 

今回のお値段は、

7 courses (170 SGD) & wine pairing (120 SGD)

サービス料などを加えて、日本円でおよそ 28,000円ほど。

 

この内容、あのサービス。

信じられないコスパです。

 

次にシンガポール出張があったら、絶対に行きます。

2日前に行った2つ星のOdette(ナショナル・ギャラリー内)よりも断然、はるかに、よかったです。Odetteは42,000円だしw

 

そのOdetteの記事はこちら。 

natsumi-k.hatenablog.com

 

Nouriはまだできて7週間ということもあり今ならWebsiteから予約はすぐ取れますが、おそらく数ヶ月もしたら予約困難店の仲間入りかと思います。Singaporeに行かれる予定がある方はぜひとも訪ねてみてください!

 

 

ーーーーー 追記 ーーーーー

地球の歩き方にも素晴らしい記事が。自分で書いた後にこれを読んだら、あまりのざっくり稚拙な記事に恥ずかしくなりましたw

さすがプロは違いますなぁ。

tokuhain.arukikata.co.jp

 

でも、説明がなかったけど「きっとこれはこれをこう調理したのね」と思ったのが大方あっていたりして、それは嬉しかった!

 

食の旅、味覚と表現の修行は続きます!