【ミシュラン三つ星】2度目のカンテサンスは、新しい驚きと幸せの4時間半!
こんにちは、なつみです。
2度めのカンテサンスにいってきました。言わずと知れた日本の最高峰。予約電話は大変つながりづらいです。しかし1度行くと次回予約が取れるので嬉しい!
食べログ★ 4.85
https://tabelog.com/tokyo/A1314/A131405/13159567/
今日も個室だったので写真OKです!嬉しい!!
前回訪問は8月半ば。今日はどういうお料理でどういう会になるのでしょう。楽しみ!
食べることと飲むことが大好きな皆様6人なので、とにかくわくわくです。初対面の人同士もいますが食べ物のちからですぐに仲良し。うーん幸せ。
本日は、焼肉屋社長とWebテクノロジー会社創業役員を兼務する私がとても尊敬する女性、不動産・古美術を扱う社長、ソニーの物理オタク女性、普段の食べ仲間のGoogleのアナリスト、Yahoo!出身で今はedible flower(食用花)等のベンチャーをやっている社長、そしてGoogleのProduct Specialistの私、というまぁ変なメンツ。これがものすごく楽しいマリアージュで!科学であり化学だね。
まずはシャンパーニュと、ノンアル1名のぶどうジュース。写真ぼけてますごめんなさい!
Michel Gonet, この夏にEpernayに行った際に、通りがかりました(笑)
一皿目。鶏肉・鶏レバーがさっくりとしたサブレの上に載っている、とても温かいフィンガーフード。このサックリ感に、けっこうしっかり目の味付けの鶏肉と、臭みのない鶏レバーがたまらない!!この写真見ただけで今もう一度食べたい!これ本当に好き。
意外や意外で、冷たい前菜。
はまぐり出汁に、シトラス系の風味をアクセントとして、みょうがやキュウリなど夏野菜をふんだんに使ったもの。東京の夏が短かったのでこのあたりで夏の名残を楽しませてくれようとしてくれているのかな?という感じ。一皿目が秋っぽかったので。
こちらのワインは、次の一皿のシェフのスペシャリテに合わせてです。前回も同じでしたね。次のシェフのスペシャリテと合わせるワインがとても難しく、こちらがベストと伺いました。前回も同じだったので定番でペアリングさせているのですかね。(次回の3度めで確かめます)
Huber Berg
そのシェフのスペシャリテがこちら。ヤギのミルクのパンナコッタです。
京都のヤギのミルクだけど、実はそれはメインではないというのが凄いところ。ヤギのミルクと聞くと少し臭みがあるのでは?ちょっと特徴的な味わいなのでは?など気になるかと思いますが全くそんなことはないです。この一皿は、本当にここでしか味わえないと思う。本当に素晴らしいです。
パンナコッタの純白にオリーブオイル、さらに百合根とマカダミアナッツスライスが美しく彩りを添えています。
ご説明を伺うと、あくまで主役はフランス各地のオリーブオイルとゲランドの塩、そのつなぎの役割を果たすのがヤギのミルクのパンナコッタとのこと。贅沢……
当然ヤギは動物で、そのミルクの質も四季に体調も餌も左右されるので(たとえば夏はフレッシュな草を食べるから水分量が豊富でミルクもさわやかテイスト、秋冬は干し草を食べるので濃厚に)その変化をオリーブオイルのブレンドで調整しているそうです!なんとまぁ!
ゲランドの塩、オリーブオイル、ミルクのさわやかなハーモニーが前回よりもさらにさらに美味しく感じられました。
スペシャリテって、こういうことなんでしょうね。何度いただいてももっともっと食べたくなる。これを楽しみにまた次回来たくなる。この味わいを誰かに伝えたくなる。
さて、次です!つや消しのお皿が美しい!!
これは挑戦的な一皿。岡山の黄ニラ、北海道のぼたんえびをマスカットビネガーで。ニラだと強すぎてしまうので黄ニラをつかっていらっしゃるとのことですが黄ニラもフレンチではなかなか挑戦的な味わいですね!ボタンエビは言うまでもなくねっとりととろけます。それが強めのニラの食感と香りに不思議に合う。(ただ、やはり黄ニラはのちのち口内にかなりのインパクトを残してました)
ちなみに私は黄ニラ大好きなんだけど、理由は門前仲町に住んでいたときによくお邪魔した素晴らしいラーメン屋さんの黄ニラのおひたし。東北出身の私はそれまでお恥ずかしながら黄ニラを食べたことがなかったのです。ジャズが流れる素敵で上品なラーメン屋さんです。
支那そば 晴弘
食べログ★ 3.56
https://tabelog.com/tokyo/A1313/A131303/13008015/#index
お次はこちら。大変おもしろいお皿でした!!
オオモミタケ、ほたてスライス、落花生とビネガーのソース。
このオオモミタケ、検索したらわかりますがとにかくでかい。味大丈夫か?と思われる方も多かろうと思いますが、食感のはっきりした、しめじとエリンギの間の子といったような味わいです。けっこうシャキシャキとして、私は好きですね。
なにより面白かったのは、全く辛くないんだけど唐辛子の旨味がうまく含まれている、どこかアジアンなテイストだったこと。ビネガーと辛味のない唐辛子が、タイやマレーシアっぽい雰囲気を出してました。ペルー料理、南フランス料理などで見られる辛くない赤唐辛子から出る”だし”が最近近辺でホットなんですが、それに近しいものを感じました。落花生(つまりピーナッツ)とビネガー、唐辛子はアジアンの定番ソースなのでそういうものにインスパイアされたと考えて間違いなさそうな気がします。
さてさて、ワインも佳境です。
シャサーニュ・モンラッシェ プルミエ・クリュ ブラン(ルイ・ラトゥール)
さてお次のお皿。これ、すごかったです!!もし私がフランスの王侯貴族だったら、とりあえずこれ毎日作ってくれとお抱えシェフに言うと思う。1日2度くらい食べたい。
しかし見ただけではわからないと思う。
これは、シューのような筒状の生地のなかに複数のキノコとモン・サン・ミッシェル産の小ぶりながら味の濃いムール貝のソテーが詰まっていて、キノコ出汁のエスプーマがあしらわれているという、『全日本きのこ・貝・およびその出汁協会*』の会員としてはもうこの皿の下に敷かれていたいくらいの皿なのでありました。(*架空です)
パイのように見えて、食感はふわっとしっかりなシュー。ここにきのこと貝の出汁が染み込んで、筆舌に尽くしがたい旨味が……もはや泣けます。
フレンチってこうだよね!シューだよね!と、改めて納得しました。
さてまた脱線しますがモン・サン・ミッシェルのムール貝については少々思い出があります。
2017年夏にひとりでモン・サン・ミッシェルに1泊したときのこと。バケツ1杯のムール貝白ワイン蒸しを頼んでしまい、しかも私は海外で牡蠣など二枚貝を食べると”必ず”壮絶に”あたる”ので、「いくら蒸しているとはいえ食べて良いのか?」と2分の1食べたところで思い至ってしまい、逡巡した結果、3分の1だけ残すというよくわからないことをし、結果まったく体調に変化がなかった。じゃあ全部食べればよかったな・・・ということがあったわけです。本当にどうでもいい話ですね。すみません。
本題に戻りましょう。
ここから私たちはワインペアリングをやめてボトルに移行することに決定しておりまして、こんなラインナップをご提案いただきました。お魚なので軽めの赤。
本日のお魚は鯛の皮をパリッと焼いて中はふっくらの理想的な一皿。この大きさ、すごいです。贅沢!一番奥はアーティチョークに香味野菜のペーストがかかっています。
お次、お肉に合わせてはちょっと重めのこちらのラインナップ。なんか、フランス社交界の舞踏会みたいだなと。いろんな素晴らしいお家柄の家から、教養もあり美しいお嬢さんがドレスをまとって社交場に出てきてさぁどうなさいましょうみたいな。はぁ。狂ってますね。贅沢。当たり前だけどどの娘もかわいいよ……
そしてそんな社交界のスター、本日の良家の御曹司は小鳩でした!私はおなかいっぱい気味だったので少なめポーションをお願いしました。
これ、すごく面白かったのがテキーラをベースにしたソース!それからこちらの左のつるむらさきのソテー!このつるむらさきの香りがとても素敵で、このお皿をランクアップさせていたと思います。
”つるむらさき”は、私は小さい頃からよく食べていたけど今回の同席者の反応を見ると一般的には馴染みがないように思うのでちょっと補足。見た目は茎の太いほうれん草のような感じなんだけど、熱を加えるとモロヘイヤのようにぬるっとする葉物野菜です。実家では夏によくおひたしで食べてました。
それにしても私の写真のセンスがないな。
友人が高いカメラで撮ったのがこちら。ぜんぜん違う!!!
ツルムラサキが抱き込んでいるのは、レンコンのお団子です。これもすりおろしレンコンと刻みレンコンで食感が豊か。秋だねぇ!
さて、お食事はここまで。
そういえばパン2種の、とくに2種目がおいしかったんだけど写真まったく撮ってないです(´д⊂)‥
お口直しがまた斬新!
こちらはキャラメルシャーベットに、ライムの香りと和梨の食感が楽しい一皿。キャラメルアイスはあるけど、キャラメルシャーベットは面白い!濃厚ながら爽やかという、学年トップの成績なのにサッカー部キャプテンみたいな、ラグビー部エースなのに料理もうまいみたいな、よくわかんないけどそういうギャップに満ちた素晴らしいデザートです。
次がまた凄い!!
これは、完熟メロンのスムージーにホイップがトッピングされているもの。このメロンのスムージーは、あの完熟したメロンを口に含んだときのちょっとしゅわっとする感じ、ぴりっとする感じがそのままで、微発泡?というような刺激が楽しい!
さてお次。そう、お気づきと思いますがカンテサンスはデザートが凄いんです。。。
4皿のコース。今回はスキップしたけど、お料理のコースとデザートのコースの間にチーズを挟むこともできます。前回はチーズ3種を挟んだ。
フォンダンショコラというか、チョコクッキーというか、濃厚でねっとりしつつさくさくした素晴らしいチョコレートのデザート!おどろくほどすんなり食べれてしまいます。
前回はデザート1皿ずつペアリングお願いしましたが、今回は赤を2本ボトルでお願いしたので後半はライトな感じで。
ウイスキー、ラム、ソーテルヌ(貴腐ワイン)のセレクション。みんなそれぞれ頼みました。私はもちろんウイスキー。(日本酒・ワインに次いで好きなのがウイスキー)
美しいねぇ。
しかし、ラムも貴腐ワインもしっかり味見させていただきました!貴腐ワインは、いつまでも飲んでいられそうな軽さと広がりのある甘さ。ラムは単体では難しい(アルコール度数55%!)
でも、それがこのカンテサンスのスペシャリテ、”メレンゲを粉砕してからアイスクリームにしたもの”にかけて食べるともう壮絶なる美味さの波動で私もうここに泊まっていいですかみたいな感じになります。
いまさらっと言いましたが、そう、この下の画像、ただのアイスクリームじゃないんです。メレンゲを粉砕してアイスにしたすごいやつなんです。ただなめらかなのではなく、たいへん上品な”粉っぽさ”に、複雑な甘みがあるのが特徴です。さっくりと溶けていくんです。
最後は、奥に写っているピスタチオのお菓子とレモングラスティー。
4時間半があっという間・・・
食べることが好きな人たちと価値観や体験、経験を共有しながら過ごすと本当にあっという間。あぁ、生きていてよかった。
最後、岸田シェフがお見送りをしてくださいました。図々しくもお写真をお願いしちゃいました。
静岡在住のためちょっと先に帰ったedible flowerのRyo君はなんと岸田シェフに自分の作っているedible rose(食用バラ)を売り込んで、サンプルを送って使ってもらうことになったようで。凄い!
カンテサンスはさすが日本の最高峰だけあってお食事はもちろん最高なんですが、その体験すべてが素晴らしく、果たして私はこの店にふさわしい知識・教養・経験を備えた人であるかということをいつも自問するきっかけになります。多分ぜんぜん足りないです。ここで食べられるお金があることと、ここでの体験をふさわしく享受できることとはぜんぜん違うことです。そういうわけで、私はこれからも食の道の探求と、年収の向上にダブルで励みます(笑)
ごちそうさまでした!
人生への感謝を込めて。