【文庫X】殺人犯はそこにいる/清水潔 何人が彼に感謝しただろう
こんにちは、なつみです。
【文庫X】として話題だった「殺人犯はそこにいる」を今更ながら読了。
殺人事件?あんまり気が進まないなぁ・・・
というのが最初に本屋さんで見かけたときの感想。
でもなんだかずっと心のなかにひっかかっていたので
思い切って手にとってみると・・・
盛岡の書店員さんが書いたというあのカバー、
あのようなカバーをかけてまで全力で読んでほしかった意味を
もう最初の数ページで痛感させられた。
著者の清水潔さんが凄まじい取材をしてこの本を出してまで伝えたかったこと、
変えたかったこと、でも変わらなかったことを、
その書店員さんが彼/彼女なりの工夫で訴えてくれて、
それがこうして広まって…
人の情熱って、懸命って伝わるんだ。
調査報道っていうものの存在をお恥ずかしながら初めて知ったし、
知らされてしまったら、もう報道をそういう目で見てしまう。
ちゃんと調査してますか。
広報じゃないですか。
それはこの本を読んだ者としての責任。
加えて、清水さんの正義感の強さ、執念深さ、人としての真っ直ぐさにとても惹かれた。
ここまで諦めずに真実を追い求めて誠実に人にも物事にも当たれる人がいるなんて。
この本に出会わせてくれてありがとうと心から思う本だった。
何人が彼に感謝しただろう。
冤罪の菅家さん、被害者遺族の松田さん、一般読者、
そして報道に携わる人はもちろんだけど、
警察・検察・裁判官のなかにも
少しでも心のなかで感謝した人がいたらいいなと、思う。